「sharp like an edge of a samurai sword…」、長閑な微睡みのような暖かいループに鋭く斬り込んでくるShing02のラップ。彼らしいテクニカルなワード・プレイにニヤリとさせられるオープニング・ナンバー“battlecry”で幕を開ける本盤は、「masta」と陰陽の関係で言えば陽。柔らかで心地よい音色が耳に何とも言えない幸福感を与えてくれる。楽器そのものの音色・響きを大切に扱うNujabesに対し、より抽象的な音像を求めるFat Jon。逆にビートに対してはFat JonのほうがNujabesよりも輪郭のクッキリしたビートを刻んでいる。そうした微妙な対比を聴き比べてみるのも面白い。いずれにせよどちらもメロウであることに変わりはないのだが。
とろけるようなギターのフレーズに思わず眠りに誘われてしまう(03)、疾走するビートと哀愁のあるピアノの対比が絶妙な(04)、アルバム中唯一ビートレスで変化をつける(05)などがNujabesワークの真骨頂。かたやFat Jonサイドでは、彼らしい計算され尽くした音響処理が楽しめる(08)、シンプルながら飽きの来ない浮遊音と太いベースが印象的な(12)、超絶的なドラム・プログラミングでのっけから耳を奪う(13)あたりがハイライトか。アルバム最後を飾る(17)、Minmiの奇天烈な言語感覚にも注目。
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